耐震 その2 by 宮崎

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前回、私は柏市の耐震診断士で柏市が主催する‘木造住宅簡易耐震診断相談会’の相談員であるとお話をしました。そして令和5年度最後の相談会が今月18日にあり私も当番なのですが、柏市で申し込みを開始したところ、当日分10組がわずか1時間半で埋まり、その時点でキャンセル待ちが4組もあるとの事で、予測はしていましたが元日の能登半島地震の影響はかなり大きいと考えます。

さて今回は耐震の変遷についてです。

これまでは、1981年(昭和56年)以前の「旧耐震基準」で建築された住宅について、耐震性が不足しているとして耐震診断・耐震改修が重点的に行われていました。

その後1981年6月の建築基準法の改正で「新耐震基準」として必要とされる耐力壁の量がより多く規定されました。

ところが1995年兵庫県南部地震で木造住宅が甚大な被害を受けたことを契機に、2000年(平成12年)6月に建築基準法が改正され、木造住宅に関しては、耐力壁の配置、柱・筋かい接合部、基礎の規定が追加・強化され現在に至ります。これが「2000年耐震基準」などと呼ばれています。

その後に発生した大地震(2004年新潟県中越地震、2011年東北地方太平洋沖地震、2016年熊本地震など)の被害調査により、2000年(平成12年)以前に「新耐震基準」で建築された住宅においても、「2000年耐震基準」で建築された住宅に比べて、比較的耐震性が低い傾向にあることがわかっています。

そこで最近では耐震診断や改修の補助金対象を2000年以前の住宅と定義しています。

建築基準法の 耐震基準
(
本ページでの呼称)
建築基準法の改正日改正の概要
(
木造住宅に関する内容)
旧耐震基準 (1981年以前)
新耐震基準(1981年)1981年(昭和56年) 6月1日旧耐震基準(1981年以前)に比べ、必要とされる耐力壁の量 (必要壁量)が、最大38%増加。
2000年耐震基準(2000年)
(現行の基準)
2000年(平成12年) 6月1日上記、新耐震基準(1981年)に次の項目が追加された。
1) 基礎の仕様規定の明確化 (地耐力に応じた基礎形式の選定等)
2) 耐力壁配置規定(4分割法または偏心率0.3以下)
3) 継手・仕口の仕様の明確化(柱頭柱脚接合金物必須等)

表で表すとこのようになります。

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